小池緋扇について

緋扇の思い出

緋扇の思い出タイトル

11 桜は私のパートナー

私が花の中で一番好きなのは「桜」です。作品の中にも桜をテーマにした人形が数多くあります。これから先も大好きな桜と大好きな人形と一緒に楽しく暮らしていけたらと願っています。

人はどうしてこんなにも桜の花に感動するのでしょうか。
厳しい冬に終わりを告げ、暖かい春を運ぶ桜。幸福の花を爛漫と咲かせたかと思うと、また来年逢いましょうと叫びながら、手を振るように笑って見送ってくれる。
私たちもまた愛する人のようにあたたかなまなざしを注ぎ、桜の話をする時はどんな人でも表情が生き生きとほほ笑んで、心から幸せを感じるのです。桜は悲しい時、苦しい時、幸福な時も新しい勇気を与え、落ち込んでいれば奮闘させてくれる愛するパートナーなのです。
春が近づくと開花情報に心を浮き立たせ、桜前線に一喜一憂し、今か今かと待つ間がこのうえない至福のひとときなのです。

今こうしていろいろと桜の話をしていて、なぜ、私が花の中でいちばん桜の花が好きか理由がわかってきました。
桜はわたしに大切な大きな活力を与えてくれていたのです。
江戸庶民の心や風俗、習慣を描写した浮世絵の中にも、日本人が愛してやまない花、桜が数多く、花と人形はお互い助け合い響き合いながら、江戸の町をさまよっています。

作品「夜桜」作品「夜桜」

作品「手酌酒」作品「手酌酒」