十四番目の月
時は止まってはや三月 心乱れて見る月は
届かぬ想いの遠い月 今宵はくらい闇の中
明晩(あした)待たるる十四番目の月
時は止まってはや三月 心乱れて見る月は
届かぬ想いの遠い月 今宵はくらい闇の中
明晩(あした)待たるる十四番目の月
横兵庫は江戸の太夫の髪型で上級の遊女が結っていました。夏の花魁なので髪飾りは白にしています。十五夜の月までには帰ると約束したのに……もうあれから三度目の月、せめて十四番目の月までにはと苛立つ女心が見えるようです。焦がれ待つ女の切なさを振り返った背中で表し、月光の中に立つ哀れさを"小袖""打掛""帯"の抑えた色調と髪飾りの白で表現してみました。